Prefabricated
Construction プレキャスト工法 |
Earthquake Record 地震被害記録 |
Hordy
Slab 中空ブロック床 |
郊外にあるハムダニア地区で、集合住宅の珍しい建設風景を見かけた。プレキャストコンクリート技術は1970年代にロシアから導入されたもの。
完成した住宅 |
躯体の建設中 |
躯体工事完了 |
1戸の床面積は約300m2と、日本と比べものにならないくらい広く、これがこちらの住宅の標準的な広さで、階高も最低4mはあって、室内に入ると非常にのびのびとした感じを受ける。プレキャストで躯体を建てた後、ブロック壁、さらに石張りで豪華な外装に仕上げられる。
基礎、柱、床版、階段が工場プレキャスト品。フラットスラブで梁が無いので、要は全てプレキャスト化されており、現場コンクリートは基礎下のレベリングコンクリートと各接合部のグラウト打ち程度となる。
コンクリート強度は、400kg/cm2程度で、柱・床接合は床板の埋込金物と柱鉄筋を鋼鈑を介しての溶接接合。スラブ同士の接合も鉄筋溶接。スラブ厚165mm、柱せい400mm。
まず柱だけ建てる |
スラブの柱用開口 |
柱鉄筋との溶接接合 |
少し気になったのが、水平抵抗機構。後から組積造の内外壁が設けられるので、ある程度は耐震壁として寄与するかも知れないが、構造体としての水平力伝達は、柱と床の接合部だけしかなく、抵抗モーメントが低く耐震要求の低い地域ならではの工法かとの印象。
ちなみに、アレッポは過去に世界歴代4位にリストアップされるほどの地震被害を受けたことがあり、1990年代の後半から耐震設計の規定が強化され、新規建設はもとより既存の公共建物の強度見直しも順次実施される予定となっている。
下表はMicroSoft BookShelf2000より引用、関東大震災はこのリストで10番目。
Most Destructive Earthquakes in the World
Date | Location | Estimated number of deaths (thousands) | Magnitude (Richter scale) |
January 23, 1556 | Shaanxi, China | 830 | N/A |
October 11, 1737 | Calcutta, India | 300 | N/A |
July 27, 1976 | Tangshan, China | 255 | 1) 8.0 |
August 9, 1138 | Aleppo, Syria | 230 | N/A |
May 22, 1927 | near Xining, China | 200 | 8.3 |
December 22, 856 | Damghan, Iran | 200 | N/A |
December 16, 1920 | Gansu, China | 200 | 8.6 |
March 23, 893 | Ardabil, Iran | 150 | N/A |
December 30, 1730 | Hokkaido, Japan | 137 | N/A |
September 1, 1923 | Kwanto, Japan | 143 | 8.3 |
1) This is the official casualty figure; the estimated death toll is as
high as 750,000.
(N/A = not available.)
Source: U.S. Geological Survey National Earthquake Information Center
上で紹介したプレキャスト工法は市中ではそれほど普及はしておらず、現場打ちのlコンクリート骨組にブロック積壁あるいは石積壁が一般的である。
床は普通のRCスラブもあるが、ホルディ・スラブというコンクリートブロックスラブが多用されている。これは、下図のように床に空洞ブロックを埋込み、その周囲を梁配筋した床スラブ内梁で支える一方向版構造となっている。床厚さが増えるが、断熱・遮音効果が高いのが特徴。
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床・壁のブロック使用例1
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床面に並べられたホルディブロック
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床・壁のブロック使用例2
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PLAN | SECTION |