FOSSAP 入力データの材端条件設定について |
Q) 下図例では、計算は正しく行われません。どうすればよいですか?
A) 不適切な点が4箇所あります。
- 部材1、2、5の集まる節点では、3つの部材共に材端がピンとなっています。1つは剛端としてください。
- 部材5、6、7の集まる節点では、3つの部材共に材端がピンとなっています。1つは剛端としてください。
- 材1、4の集まる節点では、2つの部材と支持点がピンとなっています。1つは剛端あるいは点としてください。
- 部材2、3の集まる節点では、2つの部材と支持点がピンとなっています。1つは剛端あるいは点としてください。
ピン接続にしたいのに剛端にするとは変に思われるかもしれませんが、剛端とピン端が接続しても両者の関係はピン接続が維持され回転は自由となります。次に対策案を2つ示します。
- 対策案1
部材5の両端を剛に、部材1の左端を剛、部材2の右端を剛に変更する。
- 対策案2
部材5の両端を剛に、部材1、4の集まる支持点の回転を拘束、部材2、3の集まる支持点の回転を拘束に変更する。
対策案1,2ともほとんど同じ解析結果が得られます。下記赤字部分に示すように微小な差異を生じますが、実用的には差がありません。
対策1では支持点を回転自由としたので、支点変位に微小な回転値が表示されます。、また剛な材端とした部材1と2の端部には微小な曲げモーメントが表示されます。一方、対策2では支持点を回転拘束としたので、支点反力に微小な曲げモーメント値が発生します。
節点変位、部材端力は指数表示なので微小な値でも出力に表示されますが、支持点反力は固定小数点表示のため、微小値なら表示有効桁数に至らず表示対象とならないことがあります。
対策案1の結果抜粋 【部材条件】 部材 始点 終点 型 断面番号 { 1} [ 1 +---o 2] 2 <1> { 2} [ 2 o---+ 3] 3 <1> 【支持条件】 節点 X方向 Y方向 回転 ( 1) 拘束 拘束 自由 ( 3) 自由 拘束 自由 【節点変位(全体座標系)】・・座標系は右手系 節点 X-変位(cm) Y-変位(cm) 回転角(rad) ( 1) 0.000E+00 0.000E+00 -1.056E-03 ( 3) 1.654E-01 0.000E+00 1.056E-03 【部材端力(部材座標系)】 N:引張を正、Q:時計回りを正、M:座標系は右手系 部材 N(ton) Q(ton) Mi(ton・cm) Mj(ton・cm) σmax(ton/cm2) { 1} [ 1: 2] 1.250E+01 -3.839E-18 -5.941E-16 0.000E+00 ( 0.58) { 2} [ 2: 3] 1.250E+01 4.466E-18 0.000E+00 3.756E-16 ( 0.58) 対策案2の結果抜粋 【部材条件】 部材 始点 終点 型 断面番号 { 1} [ 1 o---o 2] 4 <1> { 2} [ 2 o---o 3] 4 <1> 【支持条件】 節点 X方向 Y方向 回転 ( 1) 拘束 拘束 拘束 ( 3) 自由 拘束 拘束 【節点変位(全体座標系)】・・座標系は右手系 節点 X-変位(cm) Y-変位(cm) 回転角(rad) ( 1) 0.000E+00 0.000E+00 0.000E+00 ( 3) 1.654E-01 0.000E+00 0.000E+00 【部材端力(部材座標系)】 N:引張を正、Q:時計回りを正、M:座標系は右手系 部材 N(ton) Q(ton) Mi(ton・cm) Mj(ton・cm) σmax(ton/cm2) { 1} [ 1: 2] 1.250E+01 0.000E+00 0.000E+00 0.000E+00 ( 0.58) { 2} [ 2: 3] 1.250E+01 0.000E+00 0.000E+00 0.000E+00 ( 0.58)